株式投資に期待することは人それぞれですが、やはり多いのは利益を得て資産を増やしていくことではないでしょうか。
そのため、株式投資を行うときには、「これくらい上昇したら売却して、儲けたお金で好きなものを買おう」とか「株式投資で利益が出たら普段食べられないリッチなものを食べよう」などと、色々な期待を膨らませている人が多いでしょう。
その一方で、「株式投資は危険だからやめた方が良い」という声も聞こえてきます。
このようなことを言うのは、バブルの時期に株式投資を行っていた人が多いといわれています。
なぜ彼らは、株式投資に対してネガティブな反応をしてしまうのでしょうか。
それは、株式を投資を始めるときに、「利益が出たら何に使おうか」としか考えていなかったからです。利益のことしか考えていなかった結果、バブルがはじけて大失敗してしまった人が多いのです。
バブル相場の真っただ中に投資ブームが起きて、個人投資家たちはこぞって株式投資を始めました。やがてバブルがはじけると株価は低迷し、多くの人は損失を出してしまったのです。
おそらく株式投資を始めた頃は確実に儲かると思っていたのに関わらず、予想とは異なる状況に陥ってしまったのです。つまり、購入した株の株価が上昇ではなく下落した場合に、どのように対処するか明確にしなかったことに原因があると考えられています。
当然ながら、購入した株が値上がりするのか値下がりするのか、その将来は誰にもわかりません。従って株式投資を行うことで肝心なことは、株価が上昇したときだけではなく、株価が下落したときにどうするのかを、投資を行う前に決めておくことなのです。
もちろん、株価が下がってしまっても上昇するまでひたすらホールドするという方針でも構いません。ただし、例えばバブル時期に高値で購入した株が、20年以上経っても購入した値段よりも低いままということもあります。
そこで、例えば株価が購入した値段よりも10%下落したら、いったん売却して損失を確定させ、次の投資機会に備えるというルールを独自に設定すると良いのです。
この方法のことを損切りやロスカットと呼んでいますが、このルールを設定していれば、仮に株価が下落しても損失を購入した値段の10%に抑えることが可能です。
株価が下落しても売却せずにホールドしていれば、損失が確定することはありません。しかし、そのまま塩漬け状態にしてしまうことで、購入した値段の何分の1までしまったら本末転倒です。損失を確定させることは非常に勇気がいることですが、株式投資を長く続けるためにもぜひ身につけておきたい考えなのです。